2028/05/05 金曜日

彩斗…最近寝不足みたいどうしたんだろう?
すこし気になっただけだった
そこで気がついてしまった
彩斗がよく眠そうにしているのは私が検査に行った次の日だという事に
私は途中からこっそり覗きに行った
<チェンジ!ユニコーンフォーム>
最初は意味が分からなかった
でもすぐに分からされた
「さて!」
「グルルル!」
あのときに襲われたアイツがいた
それと戦っているのだ
そのとき前に響さんに言われたことを思い出す
もしかしたらまた怪物が見えるかもしれないと
まさかあの日からずっと会わなかったが…
「さ…い…と?」
彩斗はたしか幽霊や気持ち悪い系の虫が大の苦手だったはずだ
なのに力を手して戦っている
比較的に虫が平気な私でもアレに恐れたのだ
彩斗は私の比ではないぐらい怖いはずなのに…
「コーヒーでも淹れよう」
そうして日を跨ぎ1時間すると何かがベランダに飛び込んできた
そして謎の姿から戻った彩斗はリビングの時間を見てからようやく私に気づく
「おかえり」
こちらを見てギョッとしている彩斗にカフェオレを渡した
「ど、どうしたの?こんな時間に?」
とぼけるのね。彩斗なら分かるはずなのに…
「あら、いけない?私ぐらいの女の子が夜更かししてちゃ?彩斗だってしてるじゃない?どこかに行ってたみたいだし」
わざと何も見ていないような会話をするけど会話の端々に彩斗が何をしていたのか見ていた程度でしゃべる
「べ、ベランダから遊びに行けるわけないでしょ?」
む、そう返してきたか
じゃあもういいや
「ふーん。でも不思議な生き物と遊んでたみたいじゃない?」
そこでようやく彩斗があきらめたような表情をする
「シャガイア…ていうんでしょ?あの怪物」
「知ってるのか…姉さん」
ソファにどかっと座り聞いてきた
「そりゃあね。私を…襲ったやつの事だから」
まったく薄れない記憶の発端
「ごめんな、黙ってて」
謝ってくる弟を思わず抱きしめる
「ね?姉さん!?」
「あ、ありがとう…彩斗ああいうの苦手だったでしょ?なのに…」
びっくりしていた彩斗も私の言葉に微笑む
「いいんだよ、もうとっくに克服したさ」
背中に手を回してぽんぽんと赤子をあやす様にやさしく叩いてくれる
もう…そんなことしたら泣きそうになっちゃうじゃん
嬉しさと一緒に安心感が沸いたせいか急に…眠気が
「眠い…ベットに連れてって」
「はいはい、分かったよ姉さん」
私をソファに横にするとお姫様だっこする
「人生で初めてのお姫様だっこだ~」
「嫌なら降ろすよ?」
「いいの。私のナイトでしょ?」
「弟だけど?」
「イケメンだからよし!」
笑顔で言うと
「そーですか」
呆れられた

-kairi-
マンションでの戦いが始まる数時間前
「はっ!にゅあ!!」
腕についているキャットクローでシャガイアを切り裂く
「海莉!左!」
後ろから指示が飛ぶ
「にゃぁぁぁ!!」
左から飛んできたシャガイアを裏拳で飛ばしクローにパワーを溜め放つ
「それそれ!!」
右にいたシャガイアにも放つと、どちらも体力が尽きたようで爆発し消滅する
「ふぅぅぅ…」
<チェンジ・アウト>
戦っていた少女からライトウェア、カードアーマーが消滅し、猫の姿になる
「にゃー」
「おつかれ、海莉」
肩をぽんとたたきながらスポーツドリンクを渡される
「あ、ありがとーすずちゃん!」
うけとったドリンクをまるで風呂上りの牛乳のようにグビグビ飲む
「すずちゃんはこんなこと毎日やってたんだねぇ…」
すずちゃんと呼ばれた少女、鈴華は海莉の頭にタオルを乗せながら言う
「毎日ではないけどね、大した事ないわ」
普通の少女らしい生活を送っていない過去を思い出すが仕方のないことだと頭から振り払う
「それより、早く部屋に帰りましょう?シャワー浴びたいでしょ?」
「うん!」
アニマルクラブ
数ある弱小部活の1つ
そこは誰も知らない破棄されていたプレハブにある
何匹もいる動物の中にある日混じっていた
特殊な状況下でしか起こりえない死んだ妖精の魂が死に掛かっていた猫を取り込んだ
その猫とであってから山野崎海莉の運命は変わった
それは早咲鈴華にとっても同じことであった
自分と似た運命を歩き始めてしまったのだから
「海莉…なにがあっても守ってみせる」
「え?なにか言った?」
「にゅー?」
「いえ、なんでもないわ。ほら、早く行くわよ」
「あーまってよーすずちゃーん!」
暗い表情を見られたくなくて海莉を追い抜かす
「にゃーー!!」

-END-

2028/05/05 金曜日

「なんでゴールデンウィークの最中に俺は学校に来てるんだろうな」
「どこで覚えたんだよ…そんなセリフ。また俺の漫画読んだろ?」
最初の言葉がファディアで次が俺だ
また何か漫画読んでセリフを覚えたらしい
「なーここは知能を稼ぐ場所だろ?おめぇ見たところ十分じゃねぇか?」
「そうでもないさ」
そこでふと疑問に思う
「ファディアのいた所には図書館ないの?」
予習中よく分からないところがあったので参考書を見に来たのだが
「あー似たようなモンはあるけどな。このカミ?ってやつがそもそもない」
さっそく暇を持て余しているファディアの相手をさせられている
「おめぇが使ってるカードあんだろ?あれはいろいろあんだよ」
ほう、つまり
「俺が使ってるのは戦闘用で記録用とかあるってこと?」
「おう、だからマンガが珍しくてな」
どういう文化かは分からないが物語という娯楽は存在しないのか?
「むしろドラマ?の方が見慣れてんな」
「あぁ、なるほど。全部映像なんだ。でもそれだとつまらなくない?」
人間で言うとドラマやアニメが本より先に生まれたということになる
「いや、意外と文字だけ、絵だけってのもいいもんだな」
人間じゃない何かに活字の良さが分かられてしまった
「なるほどねぇ…」
他人からファディアは見えないので小声で話していた
同時に参考書をめくりつつ話していたので、普通の人にはぶつぶつ呟きながら勉強しているように見えるはず…だが
「…」
先ほどから此方をチラチラ見ていた女生徒がいた
ファディアに目線を送ると
「あ?なんだよ?」
ダメだ…気づいてない
「なんでもないさ」
目が合わないように彼女を観察すると気づいたことがあった
生徒会エンブレム、役職リボン…しかも最上位か
俺が通っている花咲学園は小学校から大学まで同じ敷地内にあり、数万では効かない生徒数を誇るマンモス学校だ
そのために顔を覚えていなくてもいいように一定の役職に就く生徒には通常の制服に装飾を追加している
生徒会エンブレム腕章に生徒会長を表す白いリボンに宝石をあしらった物が胸元にあった
つまり高等部生徒会本部生徒会長
約6000人いると言われている生徒の長だ
何気なく本を探すように奥に行く
「しゃべっていいぞ」
さっきファディアに喋るなと指示したのだ
「俺にもようやく分かったぜ。あの女、俺を感じ取ってるらしい」
「感じ取ってる?どういこと?」
見えるかどうかという単純な話ではないらしい
「俺は俺の波動が近い竜太だからはっきり見えてんだ。でも何かがいるぐらいは感じ取ることが出来る」
ほう
「あとは俺が見えないようにしてるんだよ」
「は?そんなことができるのか??」
意味が分からない
「カード、あんだろ?あれが無いとこっちの生き物に見えないらしいんだ」
ファディアの手のひらにあったカードを見せびらかすようにする
「ワンッ!!」
ファディアがいきなり犬のように鳴く
その瞬間
「きゃ!?」
にやりと笑うとカードを俺に返すと共に俺の手に消える
「犬は苦手ですか?生徒会長?」
隠れていたらしい会長を視界にいれる
「は?」
そこで驚いた
生徒会長選挙は全生徒会員で行う
就任会は行うが興味がない者は覚えてないだろう
俺も興味ない人のうちの一人であった
「2年…だったのか…」
校章ワッペンが俺と同じ色だ
なんでそんな異例中の異例を忘れていたのだろうか
思わず小柄な会長をまじまじと上から下まで見てしまう
普通に生徒会長の座を狙うにはまず生徒会に入りみんなに意識してもらうことが先決だ
今2年ということは高等部に入学して生徒会に入るのと同時に会長になったことになる
いや、会長選の後、3年役員の退職、新役員の選任が行われる
なので生徒会長になってから生徒会役員になったということだろう
「あ、あの…えっと…」
頬を染めてモジモジしだした
「あ、悪いな」
普通じゃない方法でのし上がったのは確かだ
あまり関わらない方がいいかもしれない
頭を下げ立ち去ろうとする
「あ、待ってください」
振り返るとさっきとはまったく違う表情をしていた
その目はするどく何かを俺から見つけようとしていた
「あなたは…見えているのですか?」
「少なくても幽霊は見えないな。さっきは失礼した。あまりに可愛らしくてついな」
「えっ!?」
会長の顔がぼっと赤くなる
やはりこの手の耐性がないようだ
「えーっと、えーっと!」
あわあわしている会長を置いて自分の陣取ったテーブルに戻る

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